ガラ劇第四弾・ガラ版地獄、観劇

東京メトロ丸ノ内線の新高円寺まで乗って、JR中央線の高円寺駅高架下のコーヒーショップでランチをしたあと、いよいよ明石スタジオ(写真上)へ向かった。そう、「ガラ劇第四弾・ガラ版地獄」(写真中)が14時から始まるからである。それはそうと、なぜ観劇するかというと、先日の大なべちゃん祭りでW/ORとして出演した星川 風さんの相方、藍沢 彩羽さんが出演するからである。劇は10~13日に行われ、平日は夜のみで土日は昼と夜の合計6回ある。日曜日まであるので、観たいと思ったら高円寺の明石スタジオへ向かおう。公演は12時30分と17時30分の2回。前売券(ネット予約等)は2500円、当日券は3000円である。
さっそく受付に行くと、なんということか藍沢さんがいるではないか。しかも、本名で予約したにもかかわらず、すぐに僕が分かったようである。やはり覚えてくれていた。嬉しいナァ。
チケットとリーフレットが渡されると、スタッフの案内で2階へ。と、ここでカルチャーショックを受けた。なぜか。実は観客席は西側に3列、南北に各1列あり、格闘技のリングのように真ん中が概ね正方形の舞台になっているのである。しかも、青いビニールシートが舞台を覆うように敷かれているのだ。臨場感あふれる劇になりそうで、ワクワクしてきた。

そして、開演の14時を迎えた。照明が消えて、顔だけを出したボディースーツのようなスタイルで出演者がビニールシートを囲うように並んだ。
内容だが、あまり細かく書くと楽しみがなくなるので、概略的に書くにとどめる。
とある場所で、東日本大震災のがれき処理の仕事をしていた男がいた。その男が偶然「地獄」の書物を手にしたことが発端で、旧約聖書の時代に引き込まれることになった。僕は旧約聖書を知っていたので、あらかた分かっていたが、もし旧約聖書を知らないという方は、かじり程度で良いので調べることをオススメする。
断っておくが、「旧約聖書」という言い方はキリスト教における呼び名である。というのは、アダムとイブの時代(エデンの園)の話からカインとアベル、ノアの方舟、バベルの塔、ソドムとゴモラ等々、イエス・キリストが現れる前までの古代ユダヤ人の歴史書とも言うべき記述が「旧約聖書」であり、イエス・キリストの福音が記述されているのが「新約聖書」である。ユダヤ人はイエス・キリストを神の子と認めていないため、「旧約聖書」がユダヤ人にとっての唯一の「聖書」なのである(←ヲイヲイ、遊び人らしくないナァ。でも書いていることは事実)。

演劇に話を戻そう。こうして、旧約聖書の時代にタイムスリップした男は、歴史上に登場する人物に翻弄されながら地獄を目の当たりにするのである。波のごとく、門のごとく、舟のごとく、目まぐるしく変わるシート(←それを言ったら馬脚だろ!!)、徒労に振り回され、阿鼻叫喚の有様を演じる出演者たち、まさしく古代の地獄絵巻を見るかのようである。
そして、現代の「地獄」に戻った男。東日本大震災によって引き起こされた、激しい揺れによる崩壊、津波で流された人や物、原発事故の影響で苦しむ状況。単に演劇が素晴らしいというだけではない。考えさせられる一面もある。約90分を全力で演じきった出演者たちに、観客は惜しみない拍手を届けた。
終了後、出演者と観客との交流会なるものが行われた。なんでも、出演者とのつながりで観劇された方がほとんどなのである。僕もいろはちゃん(←藍沢さんの事だよ)に会って話をした。そして、ハッピーになることを願ってメッセージ入りのお礼(写真下)をもらった。次回が楽しみになってきた。こうして、歩いて中野に向かった遊び人であった。
出演者のみなさん、素晴らしい演劇でした。本当にありがとうございました。あと1日ありますが、お疲れ様でした。千秋楽も成功することを祈りますよ。